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NIHの研究者ら、変異した修復遺伝子MSH3が子宮がんに関与していることを発見 Tom Hawkins(1996)

これも和訳を載せておきます

NIH Scientists Find Mutant Repair Gene MSH3 Has Role in Uterine Cancer

https://www.niehs.nih.gov/news/newsroom/releases/1996/september02/index.cfm 


News Release

Archive - New Contact Information

For more information about this archival news release, please contact Christine Flowers, Director, Office of Communications & Public Liaison at (919) 541-3665.

FOR IMMEDIATE RELEASE
Monday, September 2, 1996, 12:00 p.m. EDT

Contact: Tom Hawkins, NIEHS
(919) 541-1402

 

子宮内膜癌(子宮の腫瘍)の一部は、MSH3と呼ばれるDNA修復遺伝子の変異に起因するようだと、国立環境保健科学研究所の科学者が本日、学術誌ネイチャー・ジェネティックスに報告した。

この遺伝子に異常があると、細胞の遺伝暗号であるDNAに生じたエラーを修正することができなくなる、と科学者たちは述べている。これらのエラーは、環境または化学物質への暴露に起因する可能性があり、細胞が新しい細胞のためにそのDNAのコピーを作成する際に発生する。

これらの修正されないエラー、すなわち遺伝的不安定性は、スペルミスや不必要な吃音、遺伝コードの欠落を引き起こす可能性がある。このような不安定性は、多くの種類のヒトの腫瘍で報告されている。したがって、内分泌癌におけるMSH3の機能低下に加えて、大腸、膵臓、卵巣、胃、肺、膀胱といった「マイクロサテライト不安定性を示す他の新生物」でも、MSH3が役割を果たしている可能性があると研究チームは述べている。

DNAは長いが安定した分子であり、自然があらゆる種、個々の動物や人間、個々の細胞の遺伝子を託す理想的な物質である。しかし、放射線や環境化学物質によってDNA鎖上の1つまたは複数の遺伝子が傷つけられ、遺伝子が移動すると、DNAの遺伝暗号とそれが制御する細胞に不安定性が生じることがある。

通常、細胞は多くの修復遺伝子を用いて、コンピュータのスペルチェックがエラーを発見するように、DNAのエラーを認識するとNIEHSの科学者たちは言う。しかし、この遺伝子や他のDNA修復遺伝子が障害を受けると、エラーが修正されないままになってしまう。このようなエラーが蓄積されると、やがて癌になる可能性がある。

NIEHS分子発癌研究所のジョン・I・ライジンガー[John I. Risinger]NIEHS分子遺伝学研究所のアサド・ウマル[Asad Umar], Ph.D.は、本日報告された研究に等しく貢献した。彼らは、ヒト子宮内膜がん腫瘍とヒト細胞株で研究を行った。NIEHSのトーマス・A・クンケル[Thomas A. Kunkel](分子遺伝学研究所所長)、J・カール・バレット[J. Carl Barrett](分子発がん研究所所長、同研究所科学部長)が論文の主執筆者である。ライジンガーは、ノースカロライナ大学チャペルヒル校でバレット博士の大学院生でもある。また、フィラデルフィアのペンシルバニア大学医療センターのジェフ・ボイド[Jeff Boyd]博士と、ノースカロライナ州ダーラムのデューク大学婦人科腫瘍学部門のアンドリュー・バーチャック[Andrew Berchuck]博士もこの研究に参加している。

ライジンガーによると、「DNAミスマッチ遺伝子MLH1MSH2の変異が遺伝性子宮内膜癌で示されているのに対し、MSH3の変異は、米国で毎年発生している35,000件の散発性子宮内膜癌の一部に関与しているようだ」のことである。子宮は、乳房、肺、結腸直腸に次いで、女性で4番目に多い腫瘍部位である。

ウマル博士は、「この過程をもっと知ることで、製薬会社がより良い抗がん剤を開発するのに役立つはずだ」と言っている。

日本の科学者は、1989年にMSH3を発見したが、その正確な役割は、データがDNAミスマッチ修復と癌におけるMSH3の役割の新しい証拠を提供した、この研究まで決定されていなかったと、NIEHSの科学者は述べている。MSH3は、現在、ヒト細胞内のDNAミスマッチ修復に関連する他の5つの遺伝子と一緒になっている。

NIEHSの研究では、MSH3に欠陥のある子宮内膜がん細胞に、変異していない正常なMSH3遺伝子を追加した。すると、細胞は再びDNAエラーを修復できるようになった。「しかし」とウマール博士は言う、「子宮体癌の患者にこのような修正を施したり、腫瘍の治療に何らかの遺伝子治療を用いたりすることは、まだまだ先の話です。」

NIEHSは、ノースカロライナ州中央部のローリー、ダラム、チャペルヒルの間にあるリサーチトライアングルパークにあり、連邦国立衛生研究所の1つである。NIEHSの基礎研究の主要な柱は、「感受性」、つまり、なぜある人は環境因子や、それらが原因となったり引き金となったりする病気にかかりやすいのか、ということである。

ジョン・ライジンガー研究員の連絡先は、919/541-2252(勤務先)。(蛇足:もちろんここは昔話です)

 

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