独立個人党のオルタ黙示録:なんでも何が正しいのか自分で考えてみよう-世界暴政化の策謀を絵本で理解-「百聞は絵本にしかず」
環境保護論者を含む広範な批評家の検閲
現在、環境保護活動家も含め、さまざまな人々が「気候誤報」検閲のデジタルネットに引っかかっています。
以下のグループは、公式に認可された気候「解決策」に対する批判や、気候・環境問題に対する代替的なアプローチを提唱しているために、ソーシャルメディア検閲を経験しているグループです。
アメリカ全土で3兆ドルを投じて進められている太陽光発電と風力発電の大規模な推進は、地元市民が直接的な環境影響に不満を抱いている一部の地域社会で反発を引き起こしています。
クリーンエネルギーに対する反発は、これらの巨大産業開発プロジェクトが生物多様性、野生生物の生息地、健全な生態系を損なう形で建設されているという一部の人々の間でも高まっています。
2022年12月、ユーチューブはネバダ州での大規模なリチウム鉱山開発に反対する団体Protect Thacker Passのチャンネルを、警告も停止通知もなしに「永久に」削除しました。その3日後、ユーチューブは説明もなくチャンネルを復活させました。
風力発電や太陽光発電などの産業開発からネバダ州やカリフォルニア州の砂漠を守ろうとする非営利団体Basin & Range Watchのような小規模な自然保護団体は、これらのエネルギープロジェクトの推進者から「誤った情報」を広めたと非難されたと報告しています。
クジラや海洋環境への影響の可能性を理由に、ニューヨーク・ニュージャージー地域での洋上風力エネルギー開発に反対する市民や地元の環境活動家は、フェイスブックやインスタグラムによるオンライン検閲を受けました。
この検閲は、検閲産複合体の「トップ50」のメンバーであるポインター・インスティチュートが運営する、第三者の「ファクトチェッカー」PolitiFactによって調整されました。
メディアの記事は、洋上風力開発がクジラや海洋環境に与える影響を懸念する支援団体を、化石燃料の 「ダークマネー」の手先であると非難し、中傷するために幅広い刷毛を使っています。
化石燃料産業から資金提供を受けている地元団体もあるようですが、産業開発から沿岸環境を守ろうとする広範な草の根運動は、石油・ガス産業の「ダーク・マネー」の産物とは正確に言い表すことはできせません。
ある洋上風力発電会社アトランティック・ショアーズのCEOは、彼のプロジェクトに反対するグループが、気候変動に対する「最も現実的な解決策」について「誤った情報」を広めていると非難する論説を書きました。彼は、反対派が化石燃料の「ダークマネー」から資金を得ていると非難することは控えました。アトランティック・ショアーズは石油大手シェルが50%を所有しています。
気候変動活動家の一部には、公式に認められた「解決策」では気候変動を食い止めたり、環境悪化に終止符を打ったりすることはできないと考える人々がいます。こうした人々は、侮蔑的に「破滅論者[Doomers]」と呼ばれています(中には「いつも惨事を予告する人々[Doomsters]」という皮肉なレッテルを好む者もいます)。
ここ数年、マスコミ、気候科学者、主流派の気候活動家たちは、「Doomers」を「Deniers」と同じ勢いでバッシングしています。ワシントン・ポスト紙の典型的な見出しは、「Why climate ‘doomers’ are replacing climate ‘deniers.’(気候『破滅論者』が気候『否定論者』に取って代わっている理由)」です。
2020年、フェイスブックのグループ「Positive Deep Adaptation」は、受賞歴のある小説家ジョナサン・フランゼン[Jonathan Franzen]が『ニューヨーカー』誌に寄稿した記事について警告を受けました: 「もしわれわれが偽るのをやめたら?気候の黙示録は近づいている。それに備えるためには、それを防ぐことができないことを認める必要がある。」
フェイスブックの警告は、Climate Feedbackというサイトによる「事実確認」に依拠しています。
そして今年4月、フェイスブックはイギリスのカーライルにあるカンブリア大学の持続可能性教授であるジェム・ベンデル[Jem Bendell]が、イギリス版『GQ』が行ったインタビューをシェアしようとした投稿を検閲しました。
そのインタビューの中でベンデルは、主流の気候変動政策が単に機能していないという見解と、気候変動とその他の環境的、経済的、社会的要因が組み合わさることによって、産業消費社会に壊滅的な混乱が起こるという信念を語っていました。
フェイスブックはこの投稿を非表示にし、「誰もあなたの投稿を見ることはできません。私たちがこのような基準を設けているのは、すべての人に安心してもらいたいからです」とのメッセージを付けました。
同様に5月、TikTokは「気候腐敗」ジャーナリスト、レイチェル・ドナルド[Rachel Donald]の動画を「誤報」として削除しました。気候に関するニュースレターPlanet Critical,を執筆しているドナルドは、ビデオの中で「それは経済だ。経済が気候危機を引き起こしているのだ。そうやって自分たちを組織化してきたんだ。搾取と採掘主義、そしてこういったものすべてだ」と述べました。
TikTokは、このビデオに「誤報」とレッテルを貼った具体的な理由を述べていません。しかし、「気候危機を引き起こしているのは経済だ」という動画のメッセージは、「グリーン」な成長に関する米国政府のシナリオと矛盾しています。
バイデンの「気候変動解決策」は、「地球を救うだけでなく、経済を強化すること・・・今日の経済を成長させること・・・それが私たちの国内気候変動対策が焦点を当てていることなのです」と、マッカーシーはAxiosのインタビューで語りました。
食品と農業に関して言えば、気候変動運動は、遺伝子組み換え植物、工場生産食品、合成肉、その他の工業的食品技術が気候変動の「解決策」であると信じる「エコモダニスト」たちによって占められています。
より少数の環境保護主義者は、工業的な食品技術ではなく、再生農法やアグロエコロジカル農法を用いた小規模農場が必要だと考えています。この少数派と、彼らが連携するポピュリスト的な小規模農家運動は、「気候の誤報」検閲官の監視下に置かれています。
オランダの農民による抗議は、何千もの農民の土地を収用することになりかねない過酷な環境政策に対する世界中の反対を喚起しました。オランダの農民たちは、小規模農家方式を信奉するヴァンダナ・シヴァ博士[Dr. Vandana Shiva]のような著名なエコロジー活動家の支持を得ました。
しかし、一般メディアやジョージ・モンビオット[George Monbiot]のような有名な環境保護活動家、そして「ファクトチェック」団体は、オランダの農民の抗議活動を陰謀論や誤った情報を広める「極右」運動として描いています。
放牧された牧草飼育の牛が気候変動の重大な原因であるという考え方に異議を唱える世界中の小規模農家は、フェイスブックによって検閲されています。
ある例では、ビル・ゲイツ[Bill Gates]のような億万長者エリートのプライベートジェットでのライフスタイルと比較して、「牛は問題ではない」というミームを投稿した農家がいました。フェイスブックはこれらのミームに「事実確認」を添付しました: 「誤り判明:牛は『問題』である。温室効果ガスの排出削減という点では。」
この例は、いかに主観的な政治的議論-牛と自家用ジェット機のどちらが「問題」なのか?-について、そのプロセスが「事実確認」組織に資金を提供するエリートたちに利益をもたらすかを説明しています。
「ファクトチェッカー」は、検閲産複合体の最大の組織のいくつかに資金を提供している人物であるゲイツのような億万長者が推し進めるエコモダニズムの「解決策」に信憑性を与えます。牛を合成牛肉に置き換えたり、工業的に生産された「植物性」食品-ゲイツが投資しているビジネスライン-が有望な「解決策」として取り扱われているのです。
自家用ジェット機の廃止や、小規模農家がより環境に優しい方法に移行するための資源を与えるといったポピュリストの対案は、「ファクトチェッカー」には真剣に受け止められていません。
再生可能なアグロエコロジーの手法で世界を養うには、大規模な工業生産者よりも小規模農家の方が優れているという説得力のある主張ができるにもかかわらず、です。
「ファクトチェッカー」は、工業的に飼育された牛と、小規模農家がよりホリスティックな放牧方法で飼育した牛を区別していません。生態学的にほとんど意味がないにもかかわらず、すべてが一緒くたにされているのです。
シヴァが意見を述べたように:
「最後に残った小規模農家を抹殺するために、企業主導のシナリオは、現在の産業的慣行が地球の生態系をいかに破壊しているかという大きな危機に対処する代わりに、植物対動物という二元論的なシナリオを推し進めようとしている。」
議論の検閲が代替アプローチの出現を阻む
元来、気候変動の存在を「否定」する人々を黙らせるために必要だと正当化されてきた検閲の力は、公式な気候変動の「解決策」に反対する人々を黙らせるためにますます使われるようになっているのです。
意見の相違に「誤報」のレッテルが貼られる限り、民主的な議論は不可能です。
政治的な議論は、本質的にある程度主観的なものです。経済全体で石油やガスをクリーンエネルギーに置き換えることを試みるべきか? 「グリーン成長」は可能なのか? 気候変動政策が市民の自由を尊重するためにはどうすればいいのか? 食の未来は、大規模な工業農場か、小規模な家族経営の農場か? 牧草で育った牛と自家用ジェット機、どちらが優先度の高い問題なのか?
これらの問いには、長所と短所の比較、価値観の優先順位付け、誰がコストと負担を負うのかという決定が含まれます。単なる科学や数学の問題ではありません。
しかし、ソーシャルメディアの「ファクトチェッカー」たちは、客観性を装ってこうした主観的な議論に介入し、資金提供者である大企業や億万長者たちが好む「解決策」へと会話を誘導しています。
話題の気候「解決策」ごとに、検閲産複合体は資金提供者に有利なように偏った「事実確認」を行います。偏った主張は、こうした議論の反対側にもしばしば見られるのです。
これらの競合する主張を理解する唯一の方法は、開かれた民主的プロセスです。
検閲の戦いは、多くの人が信じているような「否定派」対「科学」の戦いではあいません。対立の主な原因は、誰が「解決策」を決定するか:自由で開かれた議論に参加する市民か、検閲の権力を主張する政治的・経済的勢力か、ということです。
民主的な社会では、「解決策」は議論の対象になるはずですが、ますますそうではなくなってきています。
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W. Aaron Vandiver is a writer, former litigator and wildlife conservationist. He is the author of the novel, “Under a Poacher’s Moon.”
Featured image is from CHD
The original source of this article is Children's Health Defense
Copyright © W. Aaron Vandiver, Children's Health Defense, 2023